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浅野 雅春; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 26(1), p.29 - 33, 1990/00
被引用回数:10 パーセンタイル:49.31(Polymer Science)32-67%の結晶性をもつpoly(-プロピオラクトン)(PL)を種々の有機溶媒系を用いて低温放射線固相重合によって合成した。この場合、結晶性は、有機溶媒の種類もしくは己の量をかえることによってコントロールできる。このポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、生体酵素作用によって分解を受ける。このような分解は、ポリマーの結晶性に強く依存し、結果的に結晶性の減少が分解を加速する。in vivo実験系において、20週埋入後のポリマーの分解率(y)と結晶性(x)の関係は、直線となり、そこでの回帰曲線はy=1.701x+120.6(=0.985)になることが分った。
嘉悦 勲
Radiation Physics and Chemistry, 18(1-2), p.343 - 356, 1981/00
放射線とライフサイエンスとは、これまで育種・殺菌不妊化・放射線療法などを通じてつながってきた。一方高分子化学と放射線化学とは専ら工業材料の開発を通じて結びついてきた。近年高分子化学と医・薬・農学分野とは、医用高分子や固定化酵素を通じて深くかかわり、境界領域を形成するようになった。ここに放射線化学が高分子を介してライフサイエンスの分野に通じる新しいパスが生じた。ライフサイエンス用高分子材料の開発に対し、放射線という手段は貴重な多くの利点を有している。生物活性高分子複合材料-生物活性成分の高分子による低温加工という新分野で我々のグループはそのことを数多くの実例で実証してきた。この講演では、この新分野を開拓してきた我々の基本的な方法論とその医・薬・農各分野における具体的応用例・実践例を紹介し、この分野の夢多い未来を展望したい。
嘉悦 勲; 熊倉 稔; 浅野 雅春; 山田 明夫*; 桜井 靖夫*
J.Biomed.Mater.Res., 14, p.199 - 210, 1980/00
被引用回数:13 パーセンタイル:65.18(Engineering, Biomedical)いくつかの医療酵素を-78Cで放射線重合法を用いてポリマー表面に固定した。グルコースオキシダーゼとグルコースパーオキシダーゼはポリエチレンフィルム上に、もしくは塩ビ管の内部に薄い膜状で固定した。これらの膜はプラスチック基材とよく接着しており、また膜表面に固定された酵素は繰り返し反応をおこなっても高い活性収率を保持した。この場合、固定膜とプラスチック基材の接着は放射線グラフト法あるいはアンダーコーチィングによる放射線キュアリングによって可能となった。 一方、ウロキナーゼも上記方法によってプラスチック基材表面に固定した。そして得られた基材は著しい抗凝血性を有することがわかった。
藤村 卓; 吉井 文男; 嘉悦 勲; 井上 頼直*; 柴田 和雄*
Zeitschrift fr Naturforschung, C, 35, p.477 - 481, 1980/00
ホウレン草から単離した葉緑体(クロロプラスト)の線照射とそれの低温放射線重合における固定化について研究した。クロロプラストの活性は光化学系II(PSII)の酸素発生量と色素退色により求めた。照射によるクロロプラスト活性の減少は、低い温度で照射するほど小さいが、-78C以下だと凍結による失活が著しく起る。また室温だと照射による失活が大きく、2Mr程度の照射でほとんど活性が消失してしまう。2-ヒドロキシエチルアクリレートとメトキシポリエチレングリコールメタクリレートで固定化したクロロプラストは(-24C),4Cの保存で700時間以上活性を保持していた。これに対し、固定化しないものは50時間程度で活性が全くなくなった。したがって、固定化によって、クロロプラストの寿命が著しく長くなった。さらに耐熱性も固定化により著しく向上した。
熊倉 稔; 吉田 勝; 嘉悦 勲
Biotechnol.Bioeng., 21(4), p.679 - 688, 1979/00
グルコースイソメラーゼ菌体の低温放射線重合法による固定化を金属イオンの存在下で行った。Mgイオン、Cイオンの存在下で放射線照射下においても熱天括がなく活性が増大することが明らかになった。Hgイオン0.01Mにおいて酵素反応温度65Cにおいても長時間安定であった。固定化はMgイオン(0.01M)添加下で行い回分式酵素反応においても同条件で行った。65C酵素反応温度において、モノマー濃度30%で酵素活性率として70%がえられた。酵素の耐熱性は固定化することにより向上し、またモノマー濃度の高い方が耐熱性が良いことが判った。 固定化酵素のミハエル定数はモノマー濃度10~30%の場合未固定化物とほぼ一致した。
嘉悦 勲
原子力工業, 25(2), p.37 - 42, 1979/00
放射線重合法による酵素その他の固定化技術について解説したものである。特に、従来の高分子技術による固定化法のうち、低温放射線重合による固定化法の特長を詳しく述べ、さらにそのうちで原研で研究開発を進めているガラス化性モノマーの過冷却状態での重合反応を利用した固定化法について、食品研などの開発した結晶状態での低温放射線重合による固定化法と比較しつつ、両者の差異特長が明らかとなるよう、モデル図、実験結果を用いて詳しく解説した。
吉井 文男; 大久保 浩; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.389 - 400, 1978/01
ガラス化性モノマーが低温で重合性に富み重合時の容積収縮が少ない特徴を利用して、短時間で歪のない有機ガラス材料を作る新しいキャスティングプロセスの開発を行なっているが、本報ではキャスティングで作成する二種類の光学歪のうち、熱対流型歪と呼ばれる歪について、その制御条件の解析・確立を目的として、基礎的な知見を得ようとしたものである。 すなわち本報では、ヒドロキシエチルメタクリレート・グリシジルメタクリレートの放射線キャスティングで作成する熱対流型歪について、熱電対による追跡を手段として、温度分布ならびにその時間的変化をしらべ、重合条件、サンプルスケールおよび結果である歪の有無と対比させつつ、歪の生因を解明しようとしたものである。ガラス化性モノマーを用いる低温キャスティングで、従来の觸媒法キャスティングに比べ、はるかに歪が生成しにくいのは、低温であることと高粘性であることのため、重合熱に起因する対流が起りにくいためと推論された。
大久保 浩; 本多 滋和*; 吉井 文男; 森田 洋右; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.43 - 52, 1978/01
被引用回数:7代表的な有機ガラスであるPMMAはそれ自身ガラス化性を有しないが、プレポリマーを添加するとある程度過冷却性を増すと同時に、重合速度が増大して相対的低温領域でキャスティングを行うことが可能になる。(???)(?V)報では内部可塑化コモノマーと多官能性モノマーを用いた独自の素材について、また(V)報ではCR-39をモディファイしたモノマー系について放射線キャスティングの適用性と物性とを検討してきたが、本報ではMMAを主成分とし、これにプレポリマーを加えた系について放射線キャスティング法を適用するための条件について検討した。すなわち、プレポリマーの重合度、濃度、粘度などと重合性ならびに注形重合性(光学歪生成)の関係を検討し、MMAを用いた場合でも-50C以上の相対的低温領域において、放射線キャスティング法を適用すれば十分なメリットがあることを明らかにした。
嘉悦 勲; 渡辺 祐平
Journal of Polymer Science; Polymer Letters Edition, 15(4), p.235 - 238, 1977/04
ガラス化モノマーの低温放射線重合の特色は、低温過冷却状態において、ガラス転移点より10~50C高い一定温度Tuにおいて重合速度の極大現象が認められることである。Tuにおける重合速度の極大については、ガラス化性モノマーの急激な粘性の増加のため、まづ停止反応が、次いで成長反応がそれぞれ拡散律速となるため生じるみかけの現象と解釈し、これまでの報文において速度論的な証明も行い、また間接的証明としてTuでの極大現象に影響を与える種々のファクターの影響について解明を行なってきた。本報もその一環であり、多官能性のガラス化性モノマーにおいては、そのポリファンクショナリティが増大するにつれ、Tuにおける極大現象が消失することを示したものである。これは多官能性モノマーの重合によって生成する架橋構造によるモビリティの減少が、成長鎖二分子相互停止反応の寄与を減少させるため、重合速度の極大を不明瞭にするものと解釈される。
嘉悦 勲
高分子, 26(3), p.198 - 202, 1977/03
最近酵素の固定化の研究開発が活発に行われており、各種の方法が提案されている。それらは一長一短があるが、特に包括法が将来有望視されている。しかし、現在までの技術では包括法の特徴を活かした固定化の効果が必ずしも挙っていない。近年放射線を利用して包括法による固定化を行う試みが出てきたが、これも低温での担体の反応性が必ずしも大きくない欠点がある。これらの各種固定化技術の現状・長短を比較して紹介したのち、これまでの包括法では得られなかった高い活性とその持続性を与える新しい固定化法として、筆者らが行っているガラス化性モノマーを用いた低温放射性重合による固定化法について紹介し、さらに将来の固定化技術の要望についても触れた。
嘉悦 勲
工業材料, 24(7), p.48 - 56, 1976/07
放射線重合の分野における最近の研究の動向と成果をまとめて紹介解説したものである。特に広義の特殊条件下の重合反応に重点をおいて紹介した。すなわち結晶状態、ガラス状態、吸着状態、包接状態、単分子膜、エマルジョンなど特殊な相状態における重合反応の最近の研究について紹介し、また低温・高圧など特異な条件下の重合反応の現状についても解説した。放射線重合の特徴を特異な条件下の重合反応に求めて追求する研究は、放射線重合の分野における伝統的な研究の流れの一つであり、現存および将来にわたってこの流れから、新しい有用な応用の可能性が生れるであろうことを予想し、今後の展望についても言及した。
吉田 勝; 熊倉 稔; 嘉悦 勲
JAERI-M 6191, 13 Pages, 1975/07
種々の吸着剤存在下、HEMAの低温放射線重合により-amylaseの固定化をおこない次のようなことを明らかにした。HEMAの固定化組成物は、反復して反応をおこなうと、それの初期段階で酵素の離脱が認められたが、吸着剤-HEMA混合系の固定化物は酵素の離脱が全くなかった。この場合、吸着剤としては、硫酸カルシウムを主成分とするドライライト、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウムなどの無機塩の無水物が特に効果的であった。そして、Ca、Naなどの無機イオンによって固定化組成物の耐熱性は著るしく向上した。酵素量200g、30%HEMA in buffer soln、1mlそしてドライライト0.3g存在下において、照射線量110R、照射温度-24Cで固定化する時、最もすぐれた固定化組成物が得られ、その活性保存率は93%に達した。
嘉悦 勲; 吉井 文男; 大久保 浩; 伊藤 彰彦
J.Appl.Polym.Sci., (26), p.165 - 174, 1975/00
ガラス化性モノマーであるヒドロキシエチルメタクリレートを用いて、低温過冷却状態における放射線注形重合を研究し、重合条件と重合体の光学歪の生成との関係を解明した。注形重合物の光学歪は、低温で重合されるほど入りにくくなり、低温重合においては室温重合に比べて、より厚みの大きい試料を、より大きい重合速度で重合させても、歪のない製品が得られるという特徴が明らかになった。歪の生成機構についても検討し、モノマーの粘度が低い室温での重合や、粘度が高くても試料の厚みが著しく大きくて試料内に重合熱による顕著な温度分布を生じる場合などにおいては、試料内の分子運動の流れが重合により凍結されることに起因するうずまき型あるいは放射型の歪が生成することを認めた。この外パッキングなどの異物との接触界面に沿って生成する歪もあり、これは重合に伴う容積収縮に起因する歪と考えられる。